16年目

設計という名のサービス業。
知らないこと、新しいことが、
自分の質を上げる糧になる。

2006年入社

Hisashi Kubota

  • 2006 技術本部施工管理
  • 2008 設備設計部設備設計
  • 2011 制作本部設備設計

「自分」という付加価値を、どう仕事に落とすか。
進化し続けるために必要なのは、逃げない姿勢。

2006 若手の登竜門、それは現場での施工管理

入社してすぐに配属されたのは内装の工事現場。いわゆる現場監督という役割です。大学院で電圧機の研究をしていたので、当然、頭のどこかで自分の強みが生かせる仕事につけると思っていましたが、ラックランドは「現場あってこそ」の会社。まずは、施工管理をして、仕事のリアリティを肌で学び取る毎日でした。最初に送り込まれたのは有名飲食チェーンの現場。まったくの素人だったうえに、直属の先輩が骨折をして、ひとりっきりになりました(笑)。こてんぱんに叱られながら、それでも心が折れなかったのは、自分なりに「やらされている」のではなく「自分からやっている」と思うようにしていたからかもしれません。タフな日々でしたが、あの頃に出会った業者さんとは、いま現場で会っても仲良くさせてもらえています。そうした人脈も大きな財産になります。

2008 設備設計として専門以外の知識のなさに直面

たいていは現場で3〜4年経験を積んでから専門領域に配属されることが多いのですが、私は1年ちょっとで設備設計に。もともと志望していたセクションです。学生時代に電気部門を学んではきましたが、「設備」にはそれ以外に、空調、配管(ガス、水、冷媒)、換気などさまざまな知識が求められます。「暑い」「寒い」「暗い」「明るい」といった、快適性(不快性)に直結するのが設備。そして、その設備の存在を感じさせないように、当たり前を維持するのが、私たち設備設計の仕事です。

配属当初に担当したのは飲食店が中心でした。施工管理とは違う角度から関係することになりましたが、現場を知っていることが役立ったのを覚えています。

2011 設備導入に関する、省エネ案件のエキスパート

次に担当したのはスーパーマーケット。同じ「設備」ではあっても、まったくやるべきことが違うので驚きました。たとえば冷凍冷蔵機能を持ったショーケース。電力や冷却能力はもちろん、お客様の使い勝手やメンテナンスのしやすさについても気を配らなければなりません。また、省エネ性能を持った設備を導入すれば、国から補助金が出るケースもあるため、法律に関する情報収集も必須。社内でも、省エネ案件にはいちばん携わってきたのではないかと思います。

ここまで多様な視点が求められるわけだから、ひとりで抱え込むには限界があります。社内外に積極的に話を聞くようにもなりました。設計という立場なので、クライアントとやりとりをするにしても、まずは図面をベースにしていきますが、私がこだわっているのは「対話」。図面至上主義に陥らず、話の流れに応じて柔軟に設計を変えてゆくこと。そのためにもひきだしの多さがものを言う仕事だと思います。

2015 いまでも続く未経験の設備設計

この頃から、さらに別のジャンルも任されるようになりました。中でも珍しいのが温泉施設。給排水設備については扱った経験もありましたが、温度や成分など、これほど制約や条件のある給排水ははじめてでした。また、既存の設備と新設の設備との兼ね合いでも苦労しました。現場にもできるだけ顔を出し、クライアントはもとより、内装業者さんともできるだけ話をするようにしました。また、同時並行で照明のこと、空調のことも相談を受けます。「それは担当ではないので」とならず、どんな質問にも答えられるのがラックランドの強さ。負担は大きくても、それは必ず信頼につながると思います。

設計者は、本質的にはサービス業だというのが私の考えです。目の前にいる人を、その向こう側にいる人を、喜ばせることができなければ失格。質の高いサービスを提供するために必要なのは、新しいことをどんどん取り入れていくこと。マニュアル本を読んでも、PC画面とにらめっこしても、そこから「新しさ」が得られなければ意味がありません。はじめからすべての領域に知識経験がある人はいません。つねに進化、つねに向上していける設計者でありたいと思っています。

私がラックランドを選んだわけ

修士課程時代には論文が学会誌に掲載され、海外で行われた会議にも出席し、博士課程への進学も視野に入れながら研究をしていました。ただ、その道の将来像はある程度想像できてしまった。そうなると、「それ以外」の可能性も考えてしまうのが当時の私でした(笑)。考えてみたら、電気関係の研究をしていたのに、「家の電気」がどうなっているのかについては、まったく知らなかった。まずは身の回りということで「建築」「空間」分野で会社を探し、巡り合ったのがラックランド。会社訪問をした時に、すれちがう社員全員が挨拶をしてくれたことが、入社の決め手です。業界も大事ですが社風も大事ですよね。

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