LABシステム誕生秘話!-ラックランド初の省エネシステム開発・製造の光と影-

LABシステムとは?

LABシステムとは、冷凍機専用外付のインバータのこと。冷凍(・冷蔵)庫の庫内の温度変化幅を少なく調整し、電力削減、省エネルギーを実現可能にしたシステムです。
※インバータとは電気の周波数を変えてモーターの回転数をコントロールし、パワーを調整する装置です。

きっかけはとあるスーパーの社長さんからの一言でした。

今から約30年前。

当社で施工した、とあるスーパーの社長さんから、機器のメンテナンスにも行っていたことがきっかけで、
「冷凍機の制御機を設置したのだが、本当に省エネになっているのか見に来てもらえないか?」
と、お電話を頂きました。

当時、冷凍機の制御機、つまりインバータに関しては、我々も創りたいと思っていたシステムでした。
というのも、明確にインバータと考えていたわけではないのですが、冷凍機は非常に電気代が掛かる為、
電気代削減となるシステムが出来れば、お客様にも喜んでもらえるのではないか・・・とおぼろげに考えていたのです。

実際に行って見てみると、この制御機(インバータ)は、私達が実現したいと考えていたシステムそのものでした!
私たちが考えていたシステムを搭載したインバータが、実際に販売され、稼動していることを
初めて知り(当時はインターネットなんて無かったので・・・)、
この時、視に行った社員4人が4人ともそれぞれ「自分たちでも創れないか?」と瞬間的に考えていました。

さらに、そのスーパーの社長さんから、

「これ、ラックさんでも創れないの?」

との言葉を頂き、この出来事がきっかけとなり、本格的な開発へと突き進んでいくことになったのです。

LABシステムとは3度死んだ。

初代のLABシステム 圧力センサー コパル 開発は思ったよりスムーズに進み、プロトタイプも作製したものの、効率が悪く、
「もっと効率を良くしないと、商品としての魅力がない」
と思い、日々、どうすればもっと効率が良くなるかを研究していました。

そして、研究を続けている中で、
「庫内温度を取り込んで、制御すればもっと効率が良くなるのでは?」
との考えに至り、すぐに開発・製造に取り掛かかりました。
当時はインバーターを2台取り付けるタイプのLABを開発しました。
現在は1台に収まっていますが、
当時の技術力では、2台必要だったのです。

何度も試運転を重ねた後、
「調整しながらより良いものにしていこう」と考え、
お客様に許可を得て、実際に店舗に設置していくことにしました。

しかし、安定した運転がなかなか出来ず、上手くいかなかった。
なぜ、安定しないのか。それを調査し、仮説を立て、検証し、改良を加えていく、そんな日々が続きました。

そして、半年後・・・・

コパルと言う圧力センサーを使用して製造すると、ようやく安定するようになりました。
このコパルとは、自動車用の部品なのですが、これが雨や衝撃に強く、コストも抑えることが出来たのです。
車のエンジンをいじることが好きな社員が多かったことが、この成功劇を生みました!

「よし!完成だ!」

そう思い、たくさんの店舗に置いて頂きました。

しかし、問題はこの後だった。

また、問題が次々と見つかったのです。

ファンにゴミが詰まり加熱され、それによりインバータが壊れたり、
振動により配管が破損する等・・・。
様々な問題点が噴き出してきた。
そう、まさに噴き出して来たという表現がぴったりの状況でした・・・。
修理を求める電話が鳴る日々。
ただ、これらの機械的な問題点に関しては、無事すぐに解決する事が出来ました。
しかし、解決できない問題がさらに発生。

それは・・・コストでした。