営業 ×設備設計 × 施工管理

若手の躍進が実った、大型案件。
首都圏の食を支える物流センター。

国分「西東京総合センター」冷蔵物流拠点立ち上げプロジェクト
東京都昭島市

幹線道路から一本入ったところに現れる巨大なコンクリートの倉庫。一歩、その扉の内部に入ると、「冷蔵庫」「パーシャル庫」「冷凍庫」という3つの温度帯によって区分けされた、機能的な空間が広がっている。そこは、都市部の食の安全、鮮度を司る物流拠点。全国チェーン展開をしているファミレスの食材をはじめ、あらゆる生鮮品が貯蔵されている。特殊かつ大型の本物件には、ラックランドの技術力が余すところなく投入されているのだが、それにも増して「かゆいところに手が届く」若手社員の目を見張る活躍があったという。

プロジェクトの流れ

<2014年10月>工事コンペ

<2015年 3月>工事着工

<2015年11月>工事竣工

<2016年 2月>稼働開始

物件規模

鉄筋コンクリート造4階建

延べ床面積57,376㎡

主要スペース:常温庫、冷蔵庫、パーシャル庫、冷凍庫

取扱アイテム:加工食品、菓子、酒、冷凍食品

延べ床面積57,376m²。
ゼネコンと対等に仕事を受ける、誇りと重圧。

鈴木

クライアントは国分さんという、冷蔵物流センターを運営している会社さんで、以前からお付き合いがありました。そのご縁で入札に参加したのですが、規模は過去最大。全体の建築に関しては大手ゼネコンが仕切って、私たちラックランドは設備周りを中心に請け負うことになりました。

森田

近年、倉庫や物流センターは大型化が進んでいます。また、着工から竣工までの期間の短縮化も拍車がかかっている。設計をするにあたって、外部とも内部とも密な連携が求められましたね。

鈴木

東京、神奈川、埼玉への中継地点であり、延べ床面積が55,000㎡を超す物件ですから、それは身が引き締まる思いでした。もちろん予算も大きかった。また、ゼネコンと私たちはそれぞれクライアントと直接取引をする対等な関係でもありました。それは幸運なことでもあると同時に、現場としてはパワーバランスをどう取るのか、悩んだ面もあったと思います。

丹木

施工管理として気を使ったのは、やはりゼネコンとの関係をうまく築くことでした。職人さんとのコミュニケーションはどの現場でも気を配ることなのですが、受注時点で含まれていない工事が発生することはよくあるんです。それをクライアントやゼネコンと調整した上で、職人に追加でお願いをする。もちろん、クライアントとしてはスケジュールも予算も、当初の予定通りにしたいわけですから、真剣勝負になります。金額のこと、工期のこと、人員のこと。技術的な知識も求められますが、人と人の間に入って、いい循環をつくるのも施工管理の仕事なんですね。外部の皆さんとは、割に頻繁に飲みに行きました。

森田

ゼネコンとラックランド、どちらが担当するのか相談をして、私たちで引き取ったのが床下配管です。「西東京総合センター」は、スーパー、コンビニ、飲食店に運ぶ食品を貯蔵するための冷蔵施設ですが、冷蔵庫や冷凍庫は当然、冷却されますので、空間が冷やされます。すると、床の下で水分が凍って、少しずつ床を圧迫してしまうんですね。事態が進行すれば、床材のコンクリートにヒビが入るぐらいに氷が成長してしまう。それを防止するために、今回は、床の下に外気が通るパイプを走らせています。もはや設備設計とは呼べないほどのスケールとも言えますが、技術者としての大きな経験にもなった気がします。

鈴木

設計上のしわ寄せも、金額や時間のしわ寄せも、結果としてアンカーである現場に集まってしまいますので、丹木は本当によく頑張ったと思いますね。この規模の案件を、ひとりの施工管理で切り盛りするのは並大抵ではありません。

丹木

1~3階の3フロアを同時進行で進めていたので、ある時期は確かにキツかったことは事実です(笑)。多い日には60人の職人さんが出入りしていましたからね。ただ、職人さんたちは周りからの評判も良かったんです。受け持ちではない場所を掃除してくれたり、いつでも挨拶をしてくれたり、チームワークがあった気がします。

若手の奮闘によって得られた、大きな評価。
そして、そこから生まれた新規案件の引き合い。

森田

床下配管のほかには、床、壁、天井への断熱材の設置、トラックが横付けするドックシェルターというスペースの設計施工もラックランドで請け負いました。

丹木

あがってきた図面を、クライアントの仕様に描き直すのが私の日々の仕事でした。基本的につねに図面とにらめっこをしている感じです。何ヶ月にも渡って現場に出勤して、そのまま帰宅する生活になりますが、個人的には自由で好きですよ。

鈴木

「やるべきことをやる」というのを守っていれば、基本的には自由度があっていいと私は思っているんです。その余白があるからこそ、それぞれの現場で人間関係も育まれるわけですからね。もちろん、設計であれ施工管理であれ、利益意識は必要です。品質の高さを維持しながら、原価を抑える。そういう、ビジネス視点で仕事ができるハイレベルな人材がどんどん育ってきていることを実感しています。

森田

私はこれまで冷蔵設備の設計を任されてきたので、この道のプロフェッショナルを目指したいと思っていますが、先ほどのお話のように、規模感もスピード感も飛躍的に向上してきている中で、ラックランドという仕事環境は恵まれているのを感じます。受注案件、入札案件など、つねに複数の案件を抱えていますが、成長せざるを得ないというのが現状かもしれません。

丹木

ラックランドには大小様々な案件があって、それぞれの現場に施工管理が出張していますが、特に私たち「エンジニアリング部」は大型物件を担当する傾向が強いんですね。いつも別の会社の人と力を合わせる仕事なので、つねに新鮮です。このプロジェクトの後には、豊洲に移転する場外市場の施工管理をやることになっています。複数の店舗から受注していて、冷蔵設備だけでなく、内装や厨房機器の施工も請け負うことになります。また、熱い日々がはじまりますね。

鈴木

今回の収穫は、クライアントからの評価に加えて、ゼネコンさんからもお褒めの言葉をいただけたこと。「ストライク以上のいい球を投げてくれた」と言われました。それがきっかけになって、今回の案件の、4倍の規模にもなる施設の設計施工にも声をかけていただきました。所詮、仕事は人のつながりです。その糸口に、若手社員がいてくれていることが、実は最大の収穫だったのでしょうね。私は営業として、いろいろなところに顔を出すことも仕事のひとつですが、森田や丹木のような若手の評価を外で聞くことも多いんです。やはり、ベテランとしては、そうした頑張りを取引先から褒めていただけることはとても嬉しいものですよね。

プロジェクト主要メンバー

※写真左から

  • 設備設計・・・森田 昌孝
  • 営  業・・・鈴木 雅之
  • 施工管理・・・丹木 正幸

ページトップ